その他
日が沈み、キャンドルの灯りがゆらめく夜のはじめ頃、『1日だけの出張レストラン』が開店しました。
ホテル最上階にあるビュー&ダイニング『コトシエール』では、生産者を招き、その食材を使った特別なコースをお客様と同じテーブルで味わっていただく『シェフの日』というイベントを開催していましたが、シェフが現地へ赴き料理を振る舞うのは初の試みです。
生産者に最高の状態で召し上がっていただきたいという思いから、ホテルグランヴィア京都のサービススタッフも同行し、心を込めておもてなしをしました。

出席いただいたのは、『山野農園』山野さん、『小野甚味噌醤油醸造』小野さん、『大江農園』大江さんなど京丹後の生産者をはじめ、丹後王国ブルワリーの中川正樹社長など総勢21名。
料理とのペアリングも楽しんでいただけるよう、丹後王国ブルワリーのクラフトビール、京丹後産の日本酒、この日の料理に合わせてセレクトしたワインを用意しました。
大きなテーブルを囲む晩餐会のような温かい空気感に包まれた会場は、皿が進むにつれて高揚感を増していきました。
 
  • 会場として場所を提供いただいた丹後王国ブルワリーの中川社長からご挨拶をいただきました。
    もちろん乾杯は丹後王国ブルワリーのクラフトビール「ピルスナー」で!
  • 今回のメニューは、総料理長 柏木とシェフ河本が何度も話し合いを重ねて考案。
    出張レストラン当日に生産者を訪ねたことでメニューのアイデアが広がり、急遽追加されたメニューや変更になったものもありました。
「全ての食材を使ったら、品数が多くなってしまいました」と言う総料理長 柏木は、お酒と合わせて楽しめるタパススタイルの小皿料理を提供。
京丹後の豊かな食材が、趣向を凝らした8品の料理へと姿を変えました。

『大江農園』のトマトを使った一皿は、紅ズワイガニの上に昆布締めしたトマトをのせ、その上にトマトのエキスを粒状にしたキャビアを散りばめて瓶の中へ。
家庭では食べることができないプロならではの調理法で、トマトの美味しさを詰め込みました。
 

瓶の横には、『大江農園』を訪れた際にいただいたトマトを使って、急遽もう一品追加。
トマトの果肉とゼリー状の種の部分を分け、総料理長 柏木が丹後王国内のハーブガーデンで見つけたノコギリソウとカタバミを上にのせたシンプルなものです。
「大江さんが理系だとお聞きして、サイエンスを感じるトマトのキャビアや、果肉の甘みと種の酸味を別々で味わい考察するようなお料理が喜んでもらえるんじゃないかと思ったんです。
生産者の人柄を知ると、料理のアイデアが膨らみますね」と総料理長 柏木。

粕汁をイメージして作ったというまいこ里芋を使った料理は、パンチェッタでまいこ里芋を巻き、酒粕で包んでローストした一品に。
ほんのり酒粕の香りをまとい、パンチェッタの塩味と一緒に食べるまいこ里芋は、上品で口当たりなめらか。まいこ里芋の素材力が引き出しました。
「一見テクニカルに見えるお料理なので、サービスするスタッフに“粕汁”というワードを伝えてもらい、親近感を持っていただけたらと思って作りました。
山野さんとお話をして実直な方だと感じたので、人柄にも合っていると思います。」
 

まいこ金時は蒸したものの上に、『おのじん』の醤油糀を合わせた生クリームと、『ミルク工房そら』のジャージー牛乳を煮詰めて作った古代チーズと言われる“蘇”をのせて、デザートのようなおしゃれな姿に。
『山野農園』の山野さんは、この2品を食べて、想像を超える美味しさがあったと感激していました。
「粕汁をイメージして、まったく違う形の里芋料理にするという発想がすごいです。
まいこ金時はバターなどの塩味が合うので、醤油麹が入ったクリームも合うだろうと思って食べたのですが、想像以上の美味しさでした。
どちらも里芋とさつまいもを主役にして調理してくださっていたので、生産者冥利につきます。」
 

前半の8品の小皿料理をお出しした後、お口直しのコンソメスープが出されました。
『おのじん』でお土産にいただいた、味噌たまりを使ったコンソメスープです。
「いろんな料理を食べて、お酒も飲まれているので、お口直しのシャーベット的な役割として、コンソメスープを出しました。
小皿料理から、後半の大皿料理への区切りみたいな感じです。
味付けに『おのじん』さんの酒ひしおを使う予定でしたが、代わりにいただいた味噌たまりをさっそく使わせていただきました。
すっきりとした味わいになって、いい役割を果たせたと思います。」

主役を引き立てる名バイプレイヤーとして活躍した醤油糀や味噌たまり。
『おのじん』の小野さんは、8品の小皿料理を一品一品味わって食べたといいます。
「生クリームに醤油糀を合わせている料理は、さつまいもとの相性がとてもよかったです。
コンソメスープは旨みが残りながらもすっきりとした味で、8品とも新しい味との出会いの連続でした。
さすがプロの料理人ですね。」

 

お客様のお席には本日のメニューを用意。
使用する京丹後の食材や生産者のご紹介も掲載しました。

後半は、魚料理として京丹後産のスズキを使った窯焼ローストを。
丹後王国にあるピザ窯で香ばしく焼き上げたスズキは、野菜やオリーブをワインで煮込んだ南フランスの郷土料理・バリグールをソースとして別添えにしました。
「繊細な料理の後は大胆に」というキャンプ好きな総料理長 柏木の豪快な料理で、楽しいテーブルはさらに盛り上がっていきます。
 

肉料理は、京たんくろ牛のロースと炙った藁を一緒にオーブンの中で焼き上げた、藁の香りが食欲をそそる一品に。
赤ワインを煮詰めたソースをかけ、『おのじん』の醤油糀を添えてお出しすることで、脂がのった京たんくろ牛をさっぱりと仕上げました。
料理の最後にはパエリアが登場!
パエリアパンを持ったサービススタッフがお客様の席へ行くと、撮影大会がスタート。
京丹後の海の幸や山の幸を盛り込み、鮮やかに、豪快に仕上げました。
いろんなダシが染みわたったお米は、思わずもう一口食べたくなる旨みの塊。
ラストにふさわしい、五感を満たす刺激に満ちた一品になりました。
ホテルを飛び出し、生産者のもとを訪れた総料理長 柏木は、改めて、生産者との交流や、食材との一期一会の出会い、生産者に食べていただける喜びを実感したといいます。
「たくさんの生産者に私たちの食に対する姿勢を感じていただける機会になったのが非常にありがたかったです。
『おのじん』の小野さんが、自分が作ったものが、どういう形の料理になっているのかが分からないので、今回見ることができたのは幸せだとおっしゃっていました。
生産者にとって食材は娘のようなもの。
嫁いだ先でどういう料理になったかを知ることで、安心感を得られたり、新たなモチベーションにも繋がるかもしれません。
料理人はテクニックも大事だけれど、いい素材との出会いがインスピレーションを高めてくれます。
これからも京丹後の生産者と共に、美味しい料理をお客様にお届けしたいです。」

普段お客様と触れ合う機会が少ない若手シェフも同行し、生産者との交流の大切さを実感する機会になりました。

ホテルグランヴィア京都は、生産者が真摯に向き合い作られた食材を仕入れることができるおかげで、お客様に美味しい「食」を提供することができます。
シェフは日々食材を探し、いい食材との出会いが料理の質を高めていく。
お客様に美味しいを超えた感動をお届けするには、生産者との強いつながりが必要不可欠なのです。
今後も生産者とのつながりを深めながら、ホテルグランヴィア京都は素材を活かした料理を追求し続けます。

 

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  • 鉄板焼 五山望
  • ビュー&ダイニング コトシエール
  • ゲストハウス 塩小路楽粋
  • 和食 浮橋
  • 京懐石 美濃吉 竹茂楼
  • カフェレストラン ル・タン
  • 天婦羅処 京林泉
  • 中国料理 六本木樓外樓

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