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地産地消へのこだわりからたどり着いた 人と環境にやさしい特別栽培米「ヒノヒカリ」
京都山城産ヒノヒカリは、日本穀物検定協会が実施している「米の食味ランキング」において、5段階評価中最高位の「特A」評価を2021年と2022年の2年連続取得した良食味米。浮橋では、その中でもJA京都やましろの部会で定められた厳しい規定を守り、より手間暇を掛けて育てられた特別栽培米の「ヒノヒカリ」を、JA京都やましろを通じて仕入れています。
京都山城産ヒノヒカリが育てられる環境や過程を知るため、『浮橋』の料理長 三瀨が山城地域を訪ね、特別栽培米の生産者と対談。初夏を迎え田植えを終えたばかりの田んぼのあぜで、美味しいお米を育てる秘訣や栽培へのこだわりをお聞きしました。
穏やかな気候と清らかな水が育てる冷めても美味しい万能米
「すべてのお客様に炊き上がって蓋を初めて開けた状態のごはんを提供したいというのが私たちの望みです。そんな中で巡り合ったのが、京都山城産ヒノヒカリでした。炊きたてが美味しいのはもちろんなのですが、ヒノヒカリは冷めても甘さや旨み、粘りがあり、余韻が長いお米だと感じました。『浮橋』ではお持ち帰り商品としてうなぎ弁当や鯖すしなども提供しているので、重宝しています。」
![京都山城産ヒノヒカリは、毎年5月下旬ごろに田植えがはじまります。](/datas/cache/images/2024/11/15/480x316_ea1e9d427fb5664c32c517a73e421e58_e50c52bdb0633737b0394d9ea32ac5fe53fad17b.jpg)
京都山城産ヒノヒカリは、毎年5月下旬ごろに田植えがはじまります。
山城地域は、穏やかな気候に恵まれた丘陵地。東は信楽山地、西は西山や京阪奈丘陵などに挟まれ、宇治川・桂川・木津川の合流点を要に山城盆地が扇状に広がっています。豊富な水源があり、川沿いにも関わらず粘土質の土壌は、肥料のもちが良く水を蓄えられることから、「ヒノヒカリ」を育てる環境に最適です。
生産者の米づくりへの誇りと自然への敬意から生まれる特別栽培米
土づくりでは、稲刈り時に細かく刻んだ藁を資材として全量活用。毎年稲刈り後から取りかかる米づくりの工程は、土を掘り返して藁も一緒に耕すことからはじまります。
こうした持続可能な農業に取り組み、地域の美しい環境を守りながら米づくりと向き合ってきた久保さんですが、年々美味しいお米をつくるのが難しくなってきていると感じています。
経験値でも補えない予測不可能な出来事の連続に、毎年「米づくり1年生」のような感覚だと久保さんは語ります。それでも、人と自然にやさしい米づくりを続けていくことに誇りを持ち、自然への敬意を忘れていません。
「(自身のやり方は)非常に手間暇は掛かりますが、労働力を軽減しようとする農家が主体の農業は、自然や健康への負荷が大きくなり、結局は自分たちに返ってくる。自然に感謝し、稲と対話をしながらじゃないと本当の意味での美味しいお米はつくれないんです。」
スタッフ全員が生産者の思いをお客様に伝える架け橋に
![田植えをするのは小学生以来という料理長 三瀨。「子どもたちが一生懸命苗を植えている姿に感心しました!」](/datas/cache/images/2024/11/15/480x316_ea1e9d427fb5664c32c517a73e421e58_5e7ed3296261bdb46d95484c0542cb02790d8908.jpg)
田植えをするのは小学生以来という料理長 三瀨。「子どもたちが一生懸命苗を植えている姿に感心しました!」
人の手で植える大変さを実感した後は、子どもたちと保護者の方々にお米を使ったスイーツを食べていただきました。スイーツをふるまう前には、料理長 三瀨が食育の観点から講義を実施。『浮橋』で京都山城産ヒノヒカリを使う理由や、お米ができるまでに八十八の手間暇がかかることから「米」という漢字になった成り立ちなどを子どもたちに伝えました。
「生産者の久保さんのお話を聞かせていただき、田植え体験もできて、特別栽培米のヒノヒカリがつくられている環境や、生産者の思いを自分の中に刻むことができました。お店に帰ったらサービススタッフへ今日のことを共有し、お客様へもヒノヒカリに込められた思いを伝えていきたいと思っています」と、料理長 三瀨は話します。
10月には、今回植えた田んぼで稲刈りをさせていただく予定です。今年も猛暑が予想されていますが、「ヒノヒカリ」がどのように成長をしているか、ぜひご期待ください。
TEL. 075-342-5527